大切な人が亡くなり、お通夜や告別式も終わり、ひと段落。
と、一息つく前に年金の手続きや役所への保険証の返納などをしつつ、相続財産の調査をして、相続できるものがあればその手続きを進めて行かなければいけません。
実際に相続財産があるのか、では実際に預金であればどのくらい残高があるのかは確認しなければいけません。
債務の調査方法は債務の調査方法でまとめてるので、ご参考までに確認してみてください。
今回はプラスの財産である不動産や預貯金、株などの調査の方法をまとめてみました。
相続財産の総額によっては、10ヶ月以内に相続税申告も必要になりますので、早めに調査をするようにしましょう!
不動産の調査方法
不動産に関しては、課税されている土地や建物を所有していた場合、お手元に固定資産税の納税通知書があると思うので、こちらで物件を確認していきます。
また、登記済権利証や登記識別情報通知なども手元にあれば、これも資料として手元に用意しておきます。
不動産には非課税の物件、例えば私道に持分が入っていたりすると固定資産税の納税通知書には記載が出てこないので、各市区町村役場の税務課で取得ができる、「名寄帳」を取得するとよいでしょう。
名寄帳は、亡くなった方が〇〇区(市)にて所有している物件全てを、リスト化して発行してくれるもので、非課税の私道部分も記載されるケースがあります。
さらに、不動産の所在を管轄する法務局にて、「公図」という地図を取っていきます。
公図を見ることでわかるのは、建物が建っている土地の近くに細い道のようなものがあり、そこにも地番が振られていたりすると、もしかするとここも亡くなった人の名義が入っているかもしれない、と当たりをつけるためのものです。
そこで、公図で当たりをつけた私道の、登記簿謄本を取得することで、亡くなった方の持分が入っていないかを確認します。
登記簿謄本も、同じく法務局で取得可能です。
なお、遺品整理をしている際に、登記済権利証や登記識別情報通知があり、登記を担当したのが司法書士の場合、私道の部分のみ登記していないというのは考えにくいため、登記済権利証や登記識別情報通知が不動産調査の最大のヒントとなります。
預貯金の調査方法
預貯金に関しては、故人の通帳やキャッシュカードで、どこの金融機関に口座がありそうかあたりをつけていきます。
実際に残高が残っているか、手元にある通帳の取引支店以外にも口座を持っていないかを調査する方法もあります。
残高を確認したい場合は、各金融機関に故人が亡くなったことを伝え(※口座が凍結されてしまいます。)、残高証明書の発行を依頼します。
その際に、全店照会をかけてもらうことで、把握している以外の取引が判明するケースがあります。
こうして、預貯金の部分に関しては調査をしていきます。
上場株式の取引を調査する方法
株の取引をアクティブにしていた場合、証券会社発行の年間取引報告書や、定期的に通知のはがきなどが届くようです。
こういったものがあれば、送られてきた証券会社に残高証明書を発行してもらうことで、どの株式をどのくらい所持しているのかが判明します。
しかし、ネットのみで完結してしまう証券会社も多いようで、株の運用をしていたようだが、書類が全く見当たらないという場合は困ってしまいます。
そんな時は、通称「ほふり」という証券保管振替機構に問い合わせてみましょう。
各証券会社で運用している株式は、原則として「ほふり」に預託されており、ほふりは投資家の株式などを集中保管し、社債や投資信託もその対象を広げています。
この機関に照会をかけることで、保管状況を知ることができます。
以下をご参照ください。
ご本人又は亡くなった方の株式等に係る口座の開設先を確認したい場合|証券保管振替機構 (jasdec.com)
保険の調査方法
一般的に保険契約者の方あてには、定期的に郵便物が届いたり、手元に保険証書などを残していることが多いです。
しかし、例えば子供などに、お前のために保険に加入しているとは、恩着せがましくてなかなか伝えられずに亡くなってしまったようなこともあるかもしれません。
そのような方のために、保険も照会をかける機関があるのです。
生命保険協会 生命保険契約照会制度のご案内 | 生命保険協会 (seiho.or.jp)
この制度を活用することで、保険の有無を調査してもらうことができるので、実際にあることが判明すれば、その保険会社に保険金請求をするという流れになります。
生命保険は3年間請求がなかった場合は法的には消滅時効にかかってしまうため、早めに調査をすることをおすすめします。
まとめ
各相続財産の調査方法をご紹介しました。
やることは多いですが、余計な税金を払わないため、もらえるものはしっかりと受け取るために、できることからコツコツと着手していきましょう。
実際にお仕事などでなかなか動きづらいという方のために専門家がいるので、行政書士や司法書士に一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
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