相続手続きのすべて!やるべきこと、流れ、注意点まで徹底解説

相続の基本知識

突然の訃報…。大切な家族を失った悲しみの中、相続手続きという大きな課題に直面することになります。

何を準備すればよいのか、どこに相談すればいいのか分からず、戸惑う方も多いでしょう。
複雑で煩雑な手続きに、不安や混乱を感じるのも当然です。

相続手続きには、法律や税金に関する専門知識が求められるため、すべてを自分で進めるのは難しいこともあります。
遺産の調査、相続税の申告、遺産分割など、多くのステップを正確に進めるには、計画的な準備正しい情報が欠かせません。

この記事では、相続手続きの流れや必要書類、注意点、そして専門家への相談方法について、初心者にもわかりやすく解説します。
最後まで読むことで、相続に対する不安が軽減され、落ち着いて対応できるようになるはずです。
不安を安心に変える第一歩として、まずは正しい知識を身につけましょう。


相続手続きの流れを理解しよう!ステップバイステップで解説

相続手続きは、主に以下のステップで進めていきます。

  1. 相続人の確定
  2. 遺産の調査と把握
  3. 相続税の申告と納税

この順番を押さえることで、全体の流れがつかみやすくなり、手続きがスムーズに進みます。


まずは相続人の確定から始めよう!

被相続人(亡くなった方)の死亡により相続が始まりますが、まず最初に行うのが相続人の確定です。
相続人は、配偶者や子、兄弟姉妹など、法律で定められた人に限られます(法定相続人)。

そのためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本をすべて集め、誰が相続人になるのかを明確にします。
また、相続人全員の戸籍謄本と住民票も取得しましょう。

その後、相続人全員で話し合い(遺産分割協議)を行い、誰がどの財産を引き継ぐかを決めていきます。
この「相続人の確定」が正しくできていないと、後々のトラブルにつながる可能性があります。

戸籍の収集については、以下の記事が参考になります。

相続手続きで必要な戸籍の収集方法|スムーズに進めるための完全ガイド


遺産の調査と把握を徹底的に行おう!

相続人が確定したら、次に必要なのが遺産(相続財産)の全体像を把握することです。
被相続人の預金通帳や証券、不動産の権利書、保険契約書など、すべての資産を調査します。

また、借金やローンなどの負債(マイナスの財産)も調べる必要があります。
不動産は、固定資産税の通知書や登記事項証明書を使って評価額を確認します。
債務については、クレジットカードの明細や借用書をチェックしましょう。

こうして遺産の一覧表を作成しておくと、相続税の申告や遺産分割の場面で非常に役立ちます。

財産調査については以下を参考にしてください。

相続財産の調査方法|徹底ガイド:不動産、預金、証券など全資産の探し方

また、債務の調査については以下を参考にしてください。

相続で債務が発覚!調査方法と対処法を徹底解説


相続税の申告と納税をスムーズに進めよう!

相続財産が一定額を超える場合、相続税の申告と納税が必要になります
この申告は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内という期限があるため、早めの対応が必要です。

相続税の計算は複雑なため、無理に自分で行おうとせず、税理士などの専門家に相談するのが安全です。
申告漏れがあると、延滞税や加算税が発生することもあるため注意しましょう。

税理士の選び方についてはいくつかポイントがあるので、以下の記事で解説しています。

相続専門税理士の選び方|失敗しない12のポイントを解説


相続手続きに必要な書類を準備しよう!

手続きをスムーズに進めるためには、事前の書類準備が非常に重要です。
以下の3種類の書類について、それぞれ確認しておきましょう。


戸籍謄本などの重要書類を確実に取得しよう!

まず必要なのは、相続人と被相続人に関する戸籍類です。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 各相続人の戸籍謄本
  • 各相続人の住民票

これらの書類は、相続人の身元確認や遺産分割協議書の作成に使います。
抜け漏れがあると手続きが進まなくなるため、早めにそろえておきましょう。


不動産や預金に関する書類を準備しよう!

被相続人が持っていた不動産や預金について、次のような書類を用意します。

  • 登記事項証明書(不動産)
  • 預金通帳・残高証明書(金融機関)
  • 有価証券の取引報告書など(証券口座)

これらの書類は、遺産の評価や名義変更、相続税申告に必要です。


債権債務に関する書類を準備しよう!

借金や貸付金がある場合には、以下のような書類を集めます。

  • 借用書
  • クレジットカードの利用明細
  • 未回収の債権に関する契約書類

プラスの財産だけでなく、マイナスの財産もしっかり調査しておくことが重要です。
漏れがあると、相続税の計算や遺産分割に支障をきたします。


相続手続きにおける注意点とトラブル回避策

スムーズな相続には、税金面の正確な処理相続人同士の合意形成が不可欠です。
以下のポイントを意識することで、トラブルを回避できます。


相続税の申告漏れを防ごう!

相続税の申告を忘れてしまうと、延滞税や過少申告加算税が発生するおそれがあります。
まずは、相続税の申告義務があるかどうかを確認しましょう。

対象となるかの判断や、正しい金額の計算には専門知識が必要なため、税理士への相談を検討するのがおすすめです。
期限内に正確な申告を行い、ペナルティを避けましょう。


相続人間のトラブルを防ごう!

相続では、「誰がどれだけ受け取るか」が原因で争いになるケースもあります。
理想は、相続人同士で話し合い、納得できる形で分割することです。

ただし、話し合いが難航する場合は、弁護士など法律の専門家に相談することで、公平な調整が可能になります
また、遺言書がある場合は、その内容が優先されるため、まずは遺言書の有無を確認しましょう。

なお、遺言書が見つかった場合には、原則として家庭裁判所で「検認」の手続きが必要です(公正証書遺言を除く)。
勝手に開封すると罰則の対象になることもあるため、慎重な対応が求められます。


不正を防ぎ、安全に手続きを進めよう!

相続に便乗して金銭をだまし取ろうとする業者も存在します。
よく知らない相手からの連絡には注意し、書類は大切に保管しましょう。

また、手続きの進捗を記録しておくことで、万が一のトラブル発生時にも冷静に対応できます。
焦らず、常に慎重に行動しましょう。


専門家への相談を検討しよう!

相続には、税金・法律・不動産などの幅広い知識が求められるため、専門家のサポートを受けると安心です。
ここでは、主な専門家とその役割を簡潔に紹介します。


税理士への相談で税金対策を万全にしよう!

税理士は、相続税の計算や申告に関するプロです。
節税対策や納税資金の確保についても、アドバイスを受けることができます。

不安がある場合は、早い段階で相談するのが理想的です。


弁護士への相談で相続トラブルを回避しよう!

遺産分割の交渉や、相続人間の争いを防ぐために、弁護士の力が役立ちます。
また、遺言書の有効性確認や遺留分侵害の対応も可能です。

法律的なトラブルが想定される場合は、弁護士への相談が最善の選択となります。


司法書士への相談で手続きをスムーズに進めよう!

司法書士は、不動産の名義変更(相続登記)や遺産分割協議書の作成をサポートしてくれます。
役所や法務局への書類提出も代行可能なため、事務手続きの負担を大幅に軽減できます。


まとめ

相続手続きは、一生のうち何度も経験するものではないため、不安や疑問を感じるのは当然です。
この記事で紹介した流れや注意点、相談先を参考にしながら、冷静に一つひとつ進めていきましょう。

少しでも迷ったら、早めに専門家へ相談することが最も確実な対策です。
大切な人の想いを受け継ぎ、円満で安心できる相続を実現してください。

執筆者
midori-SG

都内の税理士・行政書士法人に勤務しています。
相続専門の行政書士として、コンサルティングや他士業との連携もしており、死後の手続きから生前相談(遺言や信託)にも精通。
年間面談件数は120件以上、豊富な知識と経験、話しやすさに定評をいただいております。
行政書士 登録番号:21082254 所属:東京会

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